当院では、歯科診療に力を入れています。
犬猫では歯周病が多く、次いで歯が折れる、乳歯が抜けずに残ってしまっている等のトラブルも割と多い印象です。
たまに、ペットの口の中を覗いてみてください。
もしわかりづらければ・・・👇
こんな症状はありませんか?
以下のような症状が見られたら、歯の病気の可能性があるかもしれません。
・口が臭い
・口を痛がる
・グルーミングをしなくなった(特に猫ちゃん)
・歯ぎしりや口を鳴らす
・口を開けたり触られたりするのを嫌がる
・顔の周りを前足でこする
・オモチャで遊ばなくなった
・あまり嚙まずに食べるようになった
・柔らかい食べ物を好むようになった
・攻撃的になった
・鼻水やくしゃみがある
・ドロッとした鼻水、または鼻血が出る
・歯茎が赤い/血が出た
・頬が腫れた
・歯石が気になる
よくある症状の例

歯並びが悪く、乳歯が抜けずに残ったまま永久歯が生えてしまっています。
上あごの犬歯のところです。
前の太い歯が永久歯、少しカーブしている後ろの細めの歯が乳歯です。
この先、自然に乳歯が抜けることはなく、歯並びが悪いままになってしまいますので、抜歯をお勧めします。
歯並びが悪いまま放置していると、正常な歯列の子に比べ、歯周病が早く進行してしまいます。

一つ前の写真の子の、白い歯と比べてみてください。
うっすらと歯石が付きはじめています。
歯ぐきが赤くなっていてて、「歯肉炎」の状態です。
歯石を取り、歯周病の治療をきちんと行えば、歯周病の症状を改善させてあげられそうです。

さらに歯石は厚く付いてしまっていて、膿のように見える歯垢も確認できます。
歯茎が壊されはじめていることが想像されます。
外から見ているだけでは、その程度が判断できない点もありますが、いずれにしても治療を急ぎたい段階の歯周病です。
※麻酔のための気管チューブを挿管した後の写真です。右下に伸びてるのが気管チューブです。

下の奥歯には、厚く歯石が付いてしまい、歯と歯茎は観察できなくなっています。
奥歯以外の歯でも、歯周病の進行が深刻です。
残念ながら、多くの歯の抜歯が必要な段階です。
なお、奥歯の歯石に接していた頬の内側粘膜は、真っ赤に炎症を起こしてしまっていました。
できれば、こうなってしまう前の段階で、積極的に治療をしてあげたいところです。
※気管挿管後の写真です。

おもちゃをかじり続ける癖があったわんちゃんの、前歯がすり減ってしまっています。
歯髄(神経)の露出が無く、現段階での治療は必要なさそうでしたが、かじり癖という行動を止めさせないと、この先もどんどん削れてしまいます。

左下のキバが折れてしまっています。
ケンカや事故で起こります。
診察の流れ
口を直接触る前に、まずは詳しくお話をお聞きします。
痛い場所にいきなり触れると痛がってしまい、その後の診察に協力してくれなくなる可能性があるので、直接口を診るのは最後に行いたいです。
顔の様子、体の状態をチェックしてから、触れるようでしたら口の状態を確認します。
それでも、痛がってしまい、触ることができない子も、そこそこいます。
状況によっては、口の中の診察に鎮静/麻酔が必要な場合もあります。
トラブルの内容と程度に応じて、どのような診察や治療がよいかを、私たちと一緒に考えましょう。